この記事の要点

  • 高卒採用には行政・学校を介した独自ルールがあり、中途採用の常識は通用しない
  • スケジュールは毎年固定。7月の求人票公開から逆算した準備が必須
  • 成否を分けるのは「学校(先生)との関係構築」。1年目から成果を焦らないこと

「若手が入らず、現場の平均年齢が上がり続けている」——建設業の経営者から、もっとも多く聞く悩みです。中途で若手を採ろうにも、そもそも転職市場に若手の職人はほとんどいません。だからこそ選択肢に上がるのが高卒採用です。

ただし高卒採用は、中途採用ともマイナビ等の大卒採用とも、まったく違うルールで動いています。この記事では、初めて高卒採用に取り組む建設会社向けに、押さえるべきルールと始め方を解説します。

高卒採用の独自ルールを理解する

高卒採用は、生徒を守るために行政(ハローワーク・労働局)と学校が関与する仕組みになっています。代表的なルールは次のとおりです。

  • 求人票はハローワークの確認を受けた指定様式のみ。自社サイトやSNSで直接応募を受け付けることはできない
  • 一人一社制:応募解禁後の一定期間、生徒は1社しか応募できない(地域により運用が異なる)
  • 学校斡旋が基本:応募は学校(進路指導室)を通じて行われる
  • 選考解禁日など、スケジュールが全国で統一されている

このルールを知らずに動くと、成果が出ないだけでなく、学校からの信頼を失って翌年以降の紹介が受けられなくなるリスクがあります。

年間スケジュールは「7月」から逆算する

高卒採用のスケジュールは毎年ほぼ固定です。

時期動き
6月1日〜ハローワークへ求人申込み開始
7月1日〜求人票の公開・学校への送付が可能に
7月〜8月学校訪問・応募前職場見学(夏休みが山場)
9月5日頃〜学校からの応募書類提出開始
9月16日頃〜選考・内定開始
10月以降二次募集(未内定の生徒への追加募集)

重要なのは、生徒の応募先は夏休みの職場見学でほぼ決まるということです。9月の選考解禁から動いても手遅れで、6月の求人票準備と7月〜8月の学校訪問・職場見学が勝負どころになります。

成否を分けるのは学校(先生)との関係

高卒採用は「生徒に選ばれる」前に「先生に選ばれる」必要があります。進路指導の先生は、生徒に安心して勧められる企業を紹介するからです。

  • 求人票を送るだけでなく、直接学校へ挨拶に行く(工業高校・地元校を優先)
  • 会社案内は「先生が生徒に説明できる」内容にする(仕事内容・育成体制・資格取得支援を具体的に)
  • 採用に至らなくても毎年継続して訪問する。信頼は年単位で積み上がる

1年目は「認知してもらう年」と割り切り、2〜3年での定常化を狙うのが現実的です。

求人票・職場見学で「きつそう」の先入観を越える

建設業が高卒採用で苦戦する最大の理由はイメージです。求人票と職場見学でどう越えるかがポイントになります。

  • 求人票の仕事内容は作業名の羅列ではなく、入社1年目に任せる仕事と身につくスキルを書く
  • 資格取得支援(費用負担・取得スケジュール)を明記する
  • 職場見学では実際の現場・先輩社員との接点をつくり、「働く自分」を想像させる

まとめ:高卒採用は「設計」で決まる

高卒採用は、ルール理解 → 年間スケジュールの逆算 → 学校との関係構築 → 求人票・見学の作り込み、という設計の勝負です。逆に言えば、多くの建設会社が設計なしで求人票だけ出しているため、正しく設計するだけで差がつきます。

株式会社Talencoでは、初めて新卒・高卒採用に取り組む建設会社向けに、戦略設計から学校まわり計画・求人票づくりまでの伴走支援を行っています。詳しくは建設業の新卒採用支援をご覧ください。「やるべきかどうか」の段階のご相談も歓迎です(新卒採用支援の全体像はこちら)。

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