はじめに:深刻化する警備業界の人手不足
「求人を出しても応募がゼロ…」
「やっと採用できても、すぐに辞めてしまう…」
「高齢化が進み、現場の人員確保が限界…」
警備会社の経営者様、人事担当者様から、このような悲痛な声が日々聞こえてきます。
2026年現在、警備業界の採用難はさらに深刻化しています。全国警備業協会の調査によれば、警備業における有効求人倍率は8.5倍を超え、全産業平均の約6倍という異常な水準に達しています。つまり、1人の求職者を8社以上が奪い合っている状態です。
しかし、同じ警備業界でも「採用に成功している企業」と「全く人が集まらない企業」の二極化が進んでいるのも事実です。その違いは一体どこにあるのでしょうか?
本記事では、警備業界特有の採用課題を分析した上で、2026年最新の採用戦略3つをご紹介します。すでに複数の警備会社様で成果が出ている実践的な手法ですので、ぜひ最後までお読みください。
警備業界が抱える3つの構造的採用課題
戦略に入る前に、なぜ警備業界の採用が難しいのか、その根本原因を整理しましょう。
課題1:ネガティブなイメージの払拭が困難
「きつい・危険・低賃金」の3K イメージが根強く残っています。
- 真夏・真冬の屋外での長時間立哨
- 交通誘導での危険性
- 夜勤・不規則なシフト勤務
実際には、施設警備など快適な環境での業務や、資格取得支援によるキャリアアップ制度を整えている企業も増えていますが、求職者にはなかなか伝わりません。
課題2:法定研修のハードルが高い
警備業法により、現場に出る前には「新任教育(20時間以上)」が義務付けられています。 かつての30時間より短縮されたとはいえ、採用後すぐに働けないという点は、日払い仕事を求める求職者にとって依然として高いハードルです。
求職者から見ると:「採用されても研修で3日間(20時間)拘束されるのがきつい」
このハードルが、特に急いで仕事を探している求職者の応募を遠ざけています。
課題3:ターゲット層の縮小と競合の激化
従来のメインターゲットだった「60代以上のシニア層」は依然として重要ですが、定年延長により以前ほど市場に流入しなくなりました。
一方、若年層・ミドル層へのアプローチは:
- 建設業、物流業、製造業など他のブルーカラー職種との競合
- 「警備員」という職業への偏見
- キャリアパスが不透明
という壁があり、簡単ではありません。
【戦略1】求人票の「見せ方」を根本から変える
なぜ今の求人票では応募が来ないのか?
多くの警備会社の求人票を見ると、以下のような内容になっています:
❌ NG例:よくある求人票
【仕事内容】
・施設警備業務
・巡回、監視、受付対応など
【給与】
月給20万円~
※経験・能力による
【応募資格】
学歴不問・未経験歓迎
一見問題なさそうですが、これでは他社との差別化ができず、応募者の心に刺さりません。
応募が集まる求人票の3つの鉄則
鉄則1:具体的な1日の流れを見せる
求職者が最も知りたいのは「自分が実際に何をするのか」です。
⭕ 改善例
【1日の流れ(施設警備・日勤の場合)】
8:00 出勤・制服に着替え・引継ぎ
8:30 館内巡回(1階~5階を30分かけて巡回)
9:00 受付カウンターでの来客対応
12:00 休憩(食堂利用可・仮眠室完備)
13:00 監視カメラモニター確認(座り仕事)
15:00 館内巡回
16:30 引継ぎ・日報作成
17:00 退勤
※空調完備の快適な環境です
※座り仕事と立ち仕事が交互で疲れにくい
鉄則2:不安を先回りして解消する
「研修がついていけるか」「体力的に続けられるか」といった不安を、求人票の段階で解消します。
⭕ 改善例
【よくある質問にお答えします】
Q. 警備の仕事は初めてですが大丈夫?
A. 新任の方の95%が未経験スタートです。30時間の新任研修は、
基礎から丁寧に指導しますのでご安心ください。
研修期間中も日給8,000円をお支払いします。
Q. 年齢が心配です...
A. 現在60代の方が最も多く活躍中(平均年齢62歳)。
70代で新規入社された方も10名以上います。
体力に不安がある方は、座り仕事メインの業務もご相談可能です。
Q. 夜勤はできないのですが...
A. 日勤のみ・夜勤のみ、どちらも選択可能です。
ライフスタイルに合わせてシフトを組んでいます。
鉄則3:「数字」で信頼感を出す
抽象的な表現ではなく、具体的な数字で訴求します。
⭕ 改善例
【当社の特徴(数字で見る働きやすさ)】
・平均勤続年数:6.8年(業界平均3.2年)
・資格取得支援:年間25名が警備員指導教育責任者を取得
・離職率:8%(業界平均32%)
・平均年齢:62歳(20代~70代まで幅広く活躍)
・有給消化率:78%
求人票改善の成功事例
A警備会社様の事例
【Before】
- 求人媒体に月5万円投資
- 3ヶ月で応募数:2件
- 採用数:0名
【After(求人票を全面改訂)】
- 同じ媒体・同じ予算
- 3ヶ月で応募数:10件
- 採用数:4名(面接辞退率も大幅減少)
変更点
- タイトルを「警備スタッフ募集」→「【座り仕事多め】施設警備◆平均年齢62歳◆未経験95%」に変更
- 1日の流れを詳細に記載
- よくある質問コーナーを追加
- 研修期間中の給与を明記
- 写真を「建物外観」→「実際に働くスタッフの笑顔」に変更
【戦略2】多様な採用チャネルを組み合わせる
「Indeed一本勝負」の限界
多くの警備会社が求人媒体としてIndeedを利用していますが、Indeed だけでは母集団形成が難しくなっています。
理由:
- 警備業の求人が飽和状態(競合が多すぎる)
- クリック単価の高騰(1クリック200円~500円)
- 若年層のIndeed離れ(SNSへシフト)
2026年版:警備業界のための採用チャネル戦略
チャネル1:ハローワークの徹底活用(コスト0円)
「ハローワークは効果がない」と思い込んでいませんか?
実は、警備業とハローワークの相性は抜群です。
理由:
- シニア層の利用率が高い
- 地元で働きたい人が集まる
- 無料で何度でも求人を出せる
ハローワーク活用のコツ:
- 求人票をこまめに更新する
- 2週間に1度、求人内容を微修正する
- 「更新日」が新しくなり、検索上位に表示される
- 窓口相談を活用する
- ハローワークの職員に「こういう人を探している」と具体的に伝える
- 職員から求職者に直接紹介してもらえるケースもある
- リクエスト機能を使う
- 気になる求職者に直接アプローチできる機能
- 待ちの姿勢から、攻めの採用へ
成功事例: B警備会社様は、ハローワークの求人票を定期的に更新し、窓口職員との関係構築に注力した結果、3ヶ月で採用に成功。採用コストは0円。
チャネル2:地域密着型の採用活動
自治体の就職支援イベントへの参加
- シルバー人材センター主催の就職相談会
- 自治体の中高年向け就職フェア
- 退職予定者向けセミナー
これらのイベントは参加費が無料~数万円程度で、意欲の高い求職者と直接話ができるのが最大のメリットです。
地域紙・フリーペーパーへの掲載
- 地域の60代以上はインターネットよりも紙媒体を見る傾向が強い
- 地元の新聞折込チラシは意外と効果が高い
- コストは1回3万円~5万円程度
チャネル3:既存社員からのリファラル採用(紹介採用)
最も費用対効果が高い採用手法です。
警備業界でリファラル採用が機能する理由:
- シニア層のコミュニティは横のつながりが強い
- 「友人と一緒に働きたい」というニーズが高い
- 紹介者が仕事内容を説明してくれるため、ミスマッチが少ない
リファラル制度の設計例:
【社員紹介制度】
・紹介した方:謝礼金3万円(入社3ヶ月後に支給)
・紹介された方:入社祝い金1万円
・紹介人数の制限なし
運用のポイント:
- 紹介しやすいツールを用意(会社紹介のパンフレット、紹介カードなど)
- 定期的に「紹介キャンペーン」を実施(謝礼金を期間限定で増額など)
- 紹介した社員を社内で表彰する
チャネル4:スカウト型採用サービスの活用
求職者からの応募を待つだけでなく、企業側から積極的にアプローチする手法です。
おすすめサービス:
- ヤギオファー:1万円~の低予算でスカウトメールを送れる
スカウト文面の例:
件名:【60代活躍中】座り仕事メインの施設警備◆〇〇様のご経験を活かせます
〇〇様
はじめまして。△△警備の採用担当・佐藤と申します。
〇〇様のプロフィールを拝見し、ぜひ当社で活躍いただきたいと思い、
ご連絡させていただきました。
【〇〇様にお願いしたい業務】
・商業施設の施設警備(座り仕事が中心です)
・勤務地:〇〇駅から徒歩5分
【なぜ〇〇様にお声がけしたのか】
プロフィールに「接客経験10年」と記載がありましたが、
当社の施設警備は来客対応も業務の一部です。
〇〇様の接客スキルをぜひ活かしていただきたいと考えています。
まずは一度、会社見学にいらっしゃいませんか?
(見学だけでも大歓迎です)
ご興味を持っていただけましたら、ご返信いただけますと幸いです。
【戦略3】定着率向上で「採用し続ける負担」から脱却
採用難の本質は、「入ってもすぐ辞めるから、永遠に採用し続けなければならない」という悪循環にあります。
警備業界の平均離職率は年間32%。つまり、100人いたら年間32人が辞めていく計算です。
定着率を向上させることが、最も確実な採用難の解決策と言えます。
離職理由トップ5(警備業界)
- 人間関係の問題(28%)
- 想定していた仕事内容と違った(23%)
- 体力的にきつい(18%)
- 給与が低い(15%)
- キャリアアップが見込めない(10%)
※当社調べ(警備員退職者アンケート・N=312)
定着率を上げる5つの施策
施策1:入社前の「体験入社」制度
ミスマッチを防ぐ最強の方法です。
実施例:
- 半日~1日、実際の業務を体験してもらう
- 体験中は日給5,000円を支給(最賃に注意してください)
- 現場の先輩社員と一緒に働いてもらう
効果:
- 入社前に仕事内容を完全に理解できる
- 「思っていたのと違った」による早期離職が激減
- 応募者も安心して入社を決断できる
施策2:新人フォロー体制の構築
入社後3ヶ月が最も離職しやすい時期です。
新人フォローの仕組み例:
- 入社1週間後:人事担当者が電話でヒアリング
- 入社1ヶ月後:面談を実施(不安や悩みを聞く)
- 入社3ヶ月後:配属先の上司と3者面談
小さなストレスや不安を早期にキャッチし、解消することで離職を防ぎます。
施策3:キャリアパスの明示
「警備員に将来性はあるのか?」という不安を解消します。
キャリアパスの例:
【入社後のステップアップ】
1年目:警備員(一般)
↓ 警備員検定2級取得支援(会社負担)
2年目:警備員(リーダー)※月給+2万円
↓ 警備員指導教育責任者資格取得支援
3年目:班長 ※月給+4万円
↓ マネジメント研修受講
5年目:現場責任者 ※月給+7万円
↓
7年目:エリアマネージャー候補
「頑張れば給料が上がる・ポジションが上がる」という道筋を示すだけで、モチベーションが変わります。
施策4:柔軟な働き方の提供
シニア層、特に60代以上の方は「フルタイムで働きたくない」というニーズが一定数あります。
柔軟な働き方の例:
- 週3日勤務OK
- 1日4時間の短時間勤務OK
- 日勤のみ・夜勤のみ選択可能
- 副業OK
「この会社なら自分のペースで働ける」と思ってもらえれば、定着率は上がります。
施策5:社内コミュニケーションの活性化
孤独を感じると辞めたくなります。特に警備業は1人で業務に当たることが多いため、意識的に交流の場を作ることが重要です。
実施例:
- 月1回の全体ミーティング(懇親会付き)
- 社内報の発行(活躍社員の紹介、イベント報告など)
- 社員旅行・忘年会などのイベント
- LINE グループでの情報共有・雑談
人間関係が良好であれば、「この会社で働き続けたい」と思ってもらえます。
まとめ:採用難を乗り越えるために必要なこと
警備業界の採用難は、確かに厳しい状況です。しかし、戦略的にアプローチすれば、必ず道は開けます。
本記事でご紹介した3つの戦略を改めてまとめます:
戦略1:求人票の「見せ方」を根本から変える
- 具体的な1日の流れを見せる
- 不安を先回りして解消する
- 数字で信頼感を出す
戦略2:多様な採用チャネルを組み合わせる
- ハローワークの徹底活用
- 地域密着型の採用活動
- リファラル採用の仕組み化
- スカウト型採用の導入
戦略3:定着率向上で「採用し続ける負担」から脱却
- 入社前の体験入社制度
- 新人フォロー体制の構築
- キャリアパスの明示
- 柔軟な働き方の提供
- 社内コミュニケーションの活性化
これらの施策は、どれも今日から実践できるものばかりです。まずはできることから一つずつ始めてみてください。
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